無くなる手しごと


 以前、合羽橋で購入した手作りの調理器具をとても気に入ってる。

自分は竹細工がとても好きで、合羽橋でも竹細工屋さんは見逃さないで、覗いていた。
がしかし、高価なものや、既に持っているようなものだったり、アジア製の藤で編まれたものや、中国製の安価な竹細工だったりして、欲しいものがなかなか見つからないわけである。

店主に色々と、竹細工について質問するも、面倒くさそうな口調で返されるのみ。観光客と思われていたのであろーか?若者扱いしてくれていたのであろーか?

そんな中で、歩道際にずっっっっと鎮座していたであろう、竹製ではない、金網製のバケツみたいな大きなザルを発見!?

縁や取っ手は木製なのである。なにこれ?!かっこいい!

俺「これは何用のザルなんですか?」

店主「あ〜。。それは料理屋さんの米とぎ用のザルですね。中野の職人さんが作ってたんだけど、今はもうやっていないですネ〜。。」

へぇ〜!!

これはいい。お値段は1万円ちょっと。それなりにするが、手しごとで、しかももう作ってる人が居ないんじゃ、価値はある。

ちょっぴりいやらしいことも考えながら.....。

「これください」

店主は、口調を変えずに淡々とお会計をしてくれた。

米とぎザル。1万円越え。高いと言ったら高い。まず米とぎ用には使うまい。

でも自分の中では、他の使い道が見えたから、おしゃれなお店で外国製や著名デザイナーが作った似たようなものを同額で買う気にはならない。

これは、中野の職人さんが作ったという、手しごとのオリジナル米とぎザルなのだ!!

「いいもんみっけたぞ!あの店主もまさか俺みたいな"観光客"が買っていくとは思いもしなかったろ!」なんて内心調子こき興奮しながら家路に着いた。

でも。。。。奥さんにマティツようないもの買ってきて〜。

とか思われるかな〜? うち今絶賛断捨離思想だしナ〜なんて思いながらも、頑張って堂々と、「どうこれ?!良くない?!欲欲ない?」

なんて尋ねてみると、案外好反応が返ってきた。というか絶賛してくれた。

見える場所に堂々と、洋服小物入れとなって棚に鎮座している米とぎザル君なのであった。

確かもう一つ残っていたような? 買いに行っちゃおうかな?南追手。



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