山の暮らし 不便を考える


「不便利」という言葉があるみたい。

テレビで見た。しかも最近だ。まだ東京にいる頃だった。

今の家にはテレビがないし、ネット環境はまともだけど、
ネットニュースすら気にならないほどに見ていないので、
リモート打ち合わせの合間とかで「東京はまた感染者が増えましたよ」
なんて溢れ話で聞いていて「へええ」としか言えないくらい山の生活に
マスクは不必要だ。
いきなり話が脱線している。マスクのことでなくて不便のこと。

テレビがなくってもネット環境さえ繋がっていればもう既にどこだって
便利な世の中。

すでに誰もが気がついていた話なのだろうけれど、インターネットさえ
繋がる環境でいれば、都会っ子だってもやしっ子だって、女子だって、
どこででも住めちゃう時代。
虫とか獣がイヤでなければ。。。
なんてそんな虫にも慣れる日がきっとやって来るかとも思うし。

岩泉での山暮らしをはじめた時はまだ2週間待機中だったので、
なおさら感じたことは不便って良いなって思えたことである。

来る前にみたテレビ番組はその不便を「不便利」って
言葉で京都大学の教授様が掲げて特集していた番組だった。

確かに言ってる内容は面白かった。

とにかく自宅待機で、外には出られても、近所の人とも接することはできないし、
スーパーに買い物に行くこともできない。
なおさら、車がないと買い物なんてできる場所ではない山の中。

移住担当の人にお願いをして、頼んだ食材を買ってきてもらい、
その中から食事を作らないとまともなご飯が食べれない。

山暮らしスタートが待機生活だったってのは逆に良かったと思っている。

その家から一歩も出られない山の中でも自粛生活ってのがいかに不便か?
ってことを思い知らせてくれたのである。

待機中は質素な食生活。
それ以外は、あてがってもらえた古いアパートを徹底的に掃除してみたり、
暮らしやすいように改修してみたりそんな生活で過ごしていた。
初めの1週間はネット環境も整っていなかったので、
携帯電話で友達と会話したりはできていた。

とにかく、買ってきてもらった食材で何か作らないとお腹を満たせない。
下手くそながらにも料理を作る。節約をしながら。。

で、待機生活もあと二日、なんて時にふと、唐揚げが無性に食いたくなってしまったのだ。
しかし、コンビニなんて行けないし、その前に近所にはない。
(町内で2件のみ)
世田谷暮らしの頃のように徒歩圏内ではお店がない。
(あとで近くに小さなスーパーが一軒だけあることがわかる。6時閉店だけど)

どうしても唐揚げが食いたくなってしまい、担当の人に唐揚げ粉と鶏肉と油を
買ってきてもらって、自分で揚げて食ってみた。

たいして美味くはないが、揚げ物っていう食い物の価値に感動すらした。

昔の暮らしってこんな感動することがいっぱいあったんだろうな〜、
なんてふと思い耽りながらも「不便」は人間の暮らしにとって大切だっ
てことを復習させてくれた。

唐揚げがきっかけとなったのだ。

これがまさに教授の言っていた「不便利」ってことなんだと思った。

不便最高。でも、マスクがなくても堂々と暮らせる、ただでさえ人が少ない
山暮らしだけど、

今は、都会の方が不便な生活なんじゃないのか?
なんて思えてしまっていたりもする。。

感染症は目に見えなくておっかないけれど、その目に見えないものに怯えながら
人との干渉も気をつけながら、コミュニケーションを取って行く。。
その方がよっぽど不便なのではないか?

それはこの山にももちろん影響は大きくて。
誰もいない畑を炎天下、おばあちゃんがちっこくしゃがみこんで
草抜きをしていたりして。
マスクをつけた格好で。。。。

メディアや噂の影響はでかいかもしれない。でも

自分で判断して、必要なのか?不必要なのか?考えて暮らしていかないと、

色々参っちゃうかと思う。

俺はマスクを外して、除菌もしないで山の中 堂々と暮らしている。
必要ないと思う環境だから。

先日、役場の会議に参加して久しぶりにマスクをしたけれど、息苦しすぎてきつかった。

改めて、

ぶっ倒れないでねおばあちゃん。と思った。

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