ノリくんこと、陶芸家の大江憲一君に誘ってもらいサシで渓流釣りへと出かけた。
ノリ君は、岐阜に住んでいて、横浜で個展があり、その帰りだったので、彼の帰りしなに良い場所はないか?と、自分が地図を見て探したポイントへと向かったのだ。
メールでやり取りしていて、彼なりに「伊豆がいいのでは?」「西桂川も良さそうだよ!」
なんてアイデアをくれたのだけど、僕がポイントを探すときは、いつもただ地図を眺めそこに川があるのか?ってことで決めていて、せっかくの彼のアイデアを半ば無視して、「ここがいいんでない?」と、ネットにあまり出てこない渋めのセレクトをしたわけだ。
ノリ君はじゃあ任せるよと、高速パーキングで待ち合わせて、自分が地図で見つけたマイナーポイントへ向かった。
インターを降りて、地図で見つけた川を通りかかると、なんとも、ちっこい川で、はっきり言って釣りになりそうではなかった。「あっあれ?」
なんつって、近所の他の流れを探してみると、良さげな川が見つかる。
じゃあここでやろう!とコンビニへ行って「遊魚券ありますか?」と聞くと、地図と一緒に渡され自分は少し興奮した。「ネットに頼らなくってもポイントは探せるのだ!」
と自分は少しだけノリ君に鼻高々な気分に浸った。
地図を見ながら、さらにポイントを定め、支流を目指す。見るからに素敵な渓であることを確認し、車が停められそうな狭いスペースに頭から車を突っ込んで、早速入渓。
しか〜し!、釣れそうな気配ぷんぷんなのにも関わらず、全く反応がない。あ
しかも、魚の影すら見えない。
我々の技術がまだまだなのかなあ?なんて思いながらも、下流で餌釣りをしていた地元民らしき親父に声をかけてみる。「どうですかー?」
「いやいや、この川は全然ダメだ〜。」なんてつぶやいていて、我らながらに一安心。
餌釣り師が言ってるんだから仕方あるまい。
でも、釣れないってのはやっぱり、ちと気分は凹む。
俺の探し当てたポイントはやはり微妙であったのか?釣れないから?ネットでも見つからないのかもしれない?
じゃあポイントを変えよう!なんつって、次の渓へと、車に乗り込む。
俺は何回も切り返しながら頭から突っ込んだハイエースをターンさせて、道路に出ようとすると、入り口付近で、ノリ君の車が。。。
バックで道路に出ようとしたら、派手に脱輪をかましておったのだ......!
現場を確認する限り、これは俺たちだけではどうにもならないんじゃねえか?!
と思えるくらいの脱輪っぷりで。。。
ノリ君と、自分と、あ〜だこうだ言いながら、どうにか自分らで解決したくなって、案を練る。
ノリ君がジャッキを出してきて、車体を浮かせてみる。
それだけじゃ不安定だったので、自分のジャッキも出してきて、タイヤを持ち上げてみる。
引っ張った時にジャッキは倒れちゃうはずだからと、倒れた時にタイヤの着地ポイントにご近所さんからお借りしてきたコンクリートブロックを設置。
お互い車に乗り込んでちょいと緊張しながらも、自分はバックで車を引っ張り、ノリ君はサイドブレーキを外す。
どうにか無事、脱輪した前輪を元に引っ張ることができた!けどこのまま車を出すと
今度は後輪が落ちてしまいそうだから、自分が誘導しながらも、細かく何度も切り返しをして......
無事救出成功と相成った。
魚は一匹も釣れなかった時はトボトボと家路につくのだけれど、また違う達成感をノリ君と二人で味わうことができた。
俺が選んだポイントはイマイチにもほどがあったけれど、非情事態から解決策を考え、難を逃れられた達成感は、尺イワナを釣り上げたことに匹敵するほど気持ちが良かったw。
この後、俺が見つけた、別の支流で竿を出すも、ノリ君がアブラハヤ一匹という、"釣れないほうがまだ良かった"ほどのサイテーの釣果で幕を閉じたけれどw、困難を乗り越えた達成感に浸りながら東名高速を気分よく飛ばして帰った。らスピード違反で捕まってしまった。
というのはウッソ〜。
次はノリ君に従ったポイントに出かけようと思うw。